ご周知の通り、CRMとはCustomer Relationship Management の頭文字をとったもので、一般的には顧客関係管理とか顧客情報管理などと訳され、単にCRMを実現するための顧客管理システムを指す場合もあります。
CRMという概念は、大量生産・大量消費を前提としたマスマーケティングの時代から、消費者個別のニーズに合わせたOne to Oneマーケティングの時代へという市場環境の変化により、1990年代前半から注目を集めてきた経営コンセプトではありますが、その手法もそれらを実現するためのITツールもまだまだ発展途上にあるといっても遠くないと考えています。
その証拠に、IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社が行った調査「国内CRM市場 2008年の分析と2009年~2013年の予測」によりますと、
▲2008年の国内CRMアプリケーション市場規模は507億4,900万円、前年比成長率5.0%のプラス成長
▲2008~2013年の市場規模は年間平均成長率4.3%で拡大し、2013年には625億7,000万円に達する
と予測・分析されており、この不況下にあっても、あるいはこの不況下だからこそでしょうか、CRMに取り組もうとする企業が以前にも増して多くなってきていることを裏付けています。
(反して、多くのアプリケーション市場規模は縮小傾向にあります。)
また、同じくIDCが実施したCRMアプリケーションを導入している企業に対する調査結果からは、「顧客情報管理やデータベースの構築」といった面での導入効果については一定の評価を下されているものの、「売上の拡大、コスト削減」に直結する「既存顧客のリピート率向上、新規顧客の獲得」といった導入効果についてはあまり評価されていないことが判明したようです。
ここには大きく2つの課題が潜んでいると私たちは考えています。
▲顕在化している顧客(既存顧客)に対しては、比較的有効な対策が打たれているが、潜在的な顧客を囲い込んで、継続的に育成する考え方やノウハウを持ち合わせていない。
▲仮にCRMシステムを導入しても、その活用(運用)に依存する部分が多く、導入を推進するITベンダーにはユーザーの実行を支援するスキルが大きく不足している。
ちなみに、IDC Japan ソフトウェア&セキュリティグループマネージャーの赤城知子氏も「CRMアナリティクスアプリケーションの需要が拡大する一方で、企業のビジネス理解、情報分析スキル、CRM導入スキルの3つを総合的に兼ね備えた能力がソリューションプロバイダーに求められている(一部抜粋)」と述べており、ユーザーは単にCRMシステムの優劣のみを判断するのではなく、実践力のあるパートナーかどうかを総合的に判断する必要があると考えています。